4月4日(金)午前1時、武夷山市。
ネットで予約した格安ホテルに到着。
…真っ暗なんですけど。
入り口をよく見ると「夜間開門電話」とある。
遅い時間とはいえ、ここまで歓迎ムードゼロのホテルは初めてだ。
送迎の車の運転手が電話を掛け、ようやく開門。
3泊分の宿泊費300元+押金100元を払い、部屋に通される。
…便所臭い。
ベッド2つ+簡易ベッド1つの広い部屋だったが、とにかく便所が臭い。
バス・トイレのドアを閉めても部屋まで臭って来る。ダメだ、耐えられん…。
生まれて初めてホテルの部屋をチェンジした。
ベッドが石のように硬かろうが、窓の向こうが廊下だろうが、
便所臭くないってだけでとても幸せな気分に浸れる。
翌朝。
ホテルを出て、武夷山風景区の3日間フリーパス券を探しに行く。
ホテルや商店が林立するこの一帯「度暇区」は、ひなびた温泉街のような雰囲気。
どこに行けばよいかわからず迷っていると、1台のバイクタクシーを見つけた。
「風景区のチケットが欲しいんですけど…。」
「じゃぁ俺が連れてってやるよ。」
予想通りの展開だ。
チケット売り場で聞いた情報をまとめると、
・風景区(一般に"武夷山"と呼ばれるところ)は、1日2日あれば十分。
・風景区の更に郊外には大きな滝や自然保護区などの景勝地が
沢山あるので、絶対に行くべし。(各景勝地ごとに入場券の購入が必要。)
必然的に、最初に遠くの景勝地へ行くか/2日目3日目で行くかの2択となる。
結局、初日は郊外の景勝地2箇所を回ることにした。
外は雨。バイクタクシーではちょっと辛いかも…。
スーパーハイテクな屋根を乗っけて、バイクタクシーが帰って来た。
この颯爽としたビジュアル!他に車のあても無いし、喜々として後部に跨る。
スーパーバイクタクシーで、最初の景勝地へ向けていざ出発。
運転手の身体が前方からの雨も防いでくれ、意外と濡れない。
なかなか快適じゃないか。山の景色も雲がいい感じで懸かってて素晴らしい。
…時間が経つにつれ、テンションも下がる。
気温が低い上に風直撃で、身体が冷えるのが一番辛い。
40分後、ようやく一つ目の景勝地「玉龍谷」に到着。
マイナスイオン全開の滝に沿って、長い石段を上る。
入り口と頂上の中間辺りに、ひときわ大きな滝がある。
続いて、次の景勝地「龍川大峡谷」へ。雨が強くなってきた。
「玉龍谷」と同じく、一本の滝に沿って石段をひたすら上る構成。
時間は午後1時。ここで途轍もない空腹感に襲われる。
前日の昼食以降、行きの飛行機で出たピーナッツ以外は何も食べていない。
気力を振り絞って石段を上りきり、重力に身を任せて下りきる。
どローカルなドライブイン食堂、ウィズアウトメニュー。
うちの近所にもある現物メニューの店と同様、肉類の鮮度はイマイチだ。
ここは地で獲れた新鮮な野菜をサッと炒めて食うべし。
大きなシシトウの炒めもの。これが抜群に旨い!
シシトウの爽やかな風味と辛味にみじん切りのニンニクの香り、
そして絶妙の塩加減。白飯がもの凄い勢いで進む。
大きなサトイモの千切り醤油炒め。これも抜群に旨い!
サトイモのホクホクした食感と甘みに、香ばしい醤油の焦げた香り。
日本のサトイモとは多少種類が違うのだろうが、この食べ方は中国ならではだろう。
同じく超高速でメシが進む。
シシトウと合わせて、茶碗3杯の白飯が瞬く間に胃の中へ吸い込まれていった。
最初の食事で、いきなり衝撃的な旨さに出会った。
ここの白飯はパサパサの中国米。
ツヤツヤ・モチモチの日本米よりも、炒めものとの相性は断然良い。
風景区に戻り「ザッツ武夷山」な風景が広がる川岸へ。
明日は必ずイカダに乗ろう。
夕方4時にホテルへ戻ると突然睡魔に襲われ、そのまま2時間ほど爆睡。
久しぶりの運動(石段上り)と長時間のバイク移動で、思いのほか疲れたようだ。