上海朝風呂集団有限公司

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2010.10.11 Monday / - / - / -
#09年・旧正月の予定

今年の旧正月を、一体どれだけ待ちわびたことだろう。

労働節が大幅に縮小された昨年以降、中国における
いわゆる「大型連休」は、旧正月と国慶節の年2回のみとなった。

ちなみに昨年は、旧正月・国慶節ともに日本への一時帰国に充てた。
縮小版労働節、昨年から新たに加わった3度の3連休、また北京オリンピックもあり
昨年はショートトリップを大いに満喫したが、一方で大型連休をフルに使った
ロングトラベルには出ることができず、腹の底では少なからぬ欲求不満を感じていた。

国慶節の後、年末年始でまたすぐ日本へ帰ったのも、
すべては明日からの旧正月に照準を合わせるため。

2007年労働節以来の一大スペクタクル!


というわけで、今回の目的地は…



真冬の黒龍江省だ!



旅の計画を打ち明けると、周囲の人間からも大きな反響があった。
純粋に驚かれたり、「あんたも物好きだね」と笑われたり、本気で心配されたり…。

そもそものきっかけは、07年末‐08年始の丹東・瀋陽旅行
想像を遥かに超える寒さにやられ、思うように身動きが取れなかった。
完全に、僕の負け。冬の東北をナメていた。

丹東・瀋陽での最低気温は、およそマイナス15℃。
「リベンジ」を果たすには、これより更に寒い場所に行って帰ってくるしかない。そう考えた。
黒龍江を目指す主な理由の一つは、「寒さとの闘い」である。

明日の朝便でハルピン入りする予定だが、
天気予報によると、明日のハルピンの最低気温はマイナス24℃
「自己ベスト」は明日の晩にでも破られるだろう。予定ではハルピンから
更に北上することになっており、マイナス30℃越えも夢ではない。

もちろん、丹東・瀋陽での教訓を活かし、装備には万全を期している。
ダウンジャケット、目出し帽&フェイスマスク、寒冷地用ブーツ、
腹巻、フリース数着、モモヒキ数着、靴用カイロ…
マイナス30℃に打ち克つため、必要なものには惜しげもなく金を使った。

明後日には、ロシアとの国境の町「黒河」に入る。

「越えてみたいけど、越えられない。」
前回の丹東(北朝鮮との国境)で味わった、あの何とも言えない「いじらしさ」。

…辺境マニアの血が騒ぐ。

これが、黒龍江へ行く二つ目の理由。
ここではロシア土産を大量に購入する予定。異国情緒を存分に味わいたい。

黒河から飛行機で一旦ハルピンへ戻り、電車で再び北上。
目指すは、中国最北端の地「北極村」。
ここでは何と「オーロラ」を見られる可能性がある。
一生に一度は見てみたいものだが、ウェブで調べてみると
オーロラが発生するには様々な難しい条件があるようだ。
ただひたすら、当日オーロラが見られることを祈るしかない。

三たびハルピンに戻ってくるのは、最終日の1日前。
8泊9日の旅行中、ハルピンに泊まるのは最後の1晩だけだが、
氷祭りを筆頭に、趣きあるロシア風建築の数々、
本格的なロシア料理など、ハルピンでの楽しみも尽きない。

実は寒さよりも心配なことが一つある。
それは「電車のチケットが手に入るかどうか」。
上海での大混雑ぶりを耳にする度に、もの凄く不安に駆られる。
黒河へは電車が取れなくても最悪飛行機で行けるかもしれないが、
特に北極村のある「漠河県」には空港がないので、
電車のチケットが買えないと、行く術が絶たれてしまう恐れがある。

まぁ、ここで幾ら気を揉んでも電車に乗れる確率は上がらない。
ダメだったらそのときにどうするか考えよう。
そもそも、過去に自分でも書いている通り、このような
不確定要素・ドキドキ感こそが旅の醍醐味ではないだろうか。

とは言え、命は何よりも大切。
無理が祟って具合を悪くしたら、それこそ負けである。

オーロラの写真をみんなに見せびらかすためにも、必ず生きて帰って来る。

2009.01.24 Saturday / 旅行-黒龍江 / comments(0) / trackbacks(0)
#極寒ツアーの始まり(09旧正月1)

1月24日(土)正午前、ハルピン太平空港。
念願の黒龍江省初上陸。

空港の「着替え室」(という部屋がある)で防寒具一式を装着。
バックパックを抱えて市内行きのリムジンバスに乗り込み、火車站(ハルピン駅)で下りる。

一にも二にも、まずは電車のチケット。
黒河へ行く今夜の夜行列車、その席を一刻も早く確保せねばならない。

切符売り場の行列は想像よりも短かったが、
窓口に尋ねると、寝台席・座席ともに売り切れ。
結局僕が掴んだのは「無座」と書かれたチケットだった。

少々の「立ち乗り」は免れないが、じきに席は空くだろう。
何はともあれ、チケットが無事手に入ってよかった。

ほっと胸を撫で下ろし、さっそくハルピン市街の観光へ。
バックパックを背負い、徒歩で中央大街方面に向かう。

飛行機のアナウンスによると、この日の気温は*マイナス19℃。
さすが黒龍江、噂通りの寒さだ。
しかし、完璧な防寒装備を身に纏った僕にとって、
この程度の寒さは余裕。胴体など、むしろ暑いくらいだ。
*その後の体験から、実際にはマイナス15℃弱ほどだったのではないかと思われる。


来た、ソフィスカヤ教堂!
このネギ坊主に相見える瞬間を、どれほど待ちわびたことか。
威厳あるその姿に、さっそく魅了される。
その脇にある氷の彫刻もまた美しい。


腹が減ったので、中央大街の脇道のローカル食堂へ。
この古びたロシア風建築、いかにもハルピンらしい佇まいだ。

看板メニューの「扒肉」(角煮)を頼み、いつものように
バシバシ写真を撮ろうと、液晶を覗き込んだところ…

真っ白に曇っている。

マイナス19℃から急に暖かい室内に入ったため、
レンズが一気に曇ってしまったのだ。
なるほど、これが黒龍江の寒さってやつか。

カメラを手で握り締めて温めたり、ハンカチで
レンズを拭いたりして、ようやく曇りが取れてきた。


「扒肉」。
じっくり煮込まれた豚の三枚肉。
プルプルの脂身の、とろけるような甘み…メシウマ!
卓上に生ニンニクが置いてあるあたり、何とも東北らしい。
ニンニクを齧りながら食べれば、ただでさえ
半端ないメシウマ度が数倍にもグレードアップする。
食べ歩きの面からも、今回はなかなか幸先の良いスタートだ。


メインストリート・中央大街を北上、「兆麟公園」の氷祭りに向かって歩く。
素晴らしいロシア建築の数々に目を奪われ、所々足を止める。


「兆麟公園」の氷祭り。
あのディズニーとコラボレートしており、
コンセプトとしてはなかなかメルヘンチックな氷祭りだ。

…しかし、昼間に来たせいもあるのか、
その寂れっぷりたるや、筆舌に尽くしがたいものがあった。
何となくどんよりとした空気、この写真からも感じられないだろうか。

場末の遊園地しかり、こういう寂れた雰囲気、実は嫌いではない。
他にいくらでも楽しい娯楽がある今の世において、こういう寂れた場所で
子どもが喜んではしゃいでる姿を見ると、何だか泣けるほど胸が切なくなり、
そしてまるで自分が支配人であるかのような錯覚、喜びを感じてしまうのだ。
そこには、ドラマがある。


黒龍江は日が暮れるのが非常に早い。午後5時15分で、外は既に真っ暗。
ライトアップされたロシア建築は一際美しい。

黒河行き夜行列車「N33」は、午後9時10分発。
出発まではまだかなり時間があるが、乗り遅れたら計画が完全に狂ってしまう。
大事をとって、8時前にハルピン駅へ入る。


有名老舗デパート「秋林公司」で買った、
ハルピン名物のソーセージ「紅腸」。

「…!!」

スモーキーな香りとニンニクの香りが、豚肉の旨味を存分に引き立てている。
実に味わい深い!これは聞きしに勝る逸品である。


ハルピンビール「小麦王」!!
早めに駅に入ったのも、実はソーセージを肴に一杯飲りたかったからだ。
ハルピンビールは上海でも好んで飲んでいるが、「小麦王」は初めて見た。
ここ黒龍江では、大体どこへ行っても「小麦王」。上海でも売ってる、いわゆる
普通のハルピンビール(青×白の缶)は、現地では殆ど見かけることがなかった。
普通のハルピンよりも、若干味が濃い気がする。

ハルピンビール&ソーセージは、まさに究極の組合せ。
発車時間を待ちながら、待合室で一人この上ない至福のひとときを味わう。


発車が近づいてきて、乗客が立ち上がり始めた。
それにしても、もの凄い人数だ。

―乗車案内が始まった。

明朝には、ロシアとの国境の町「黒河」。
大きな期待を胸に、ホームへ続く階段を下りる。

2009.02.02 Monday / 旅行-黒龍江 / comments(0) / trackbacks(0)
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