上海朝風呂集団有限公司

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2010.10.11 Monday / - / - / -
#理想郷?シャングリラ(10旧正月1)

2月12日(金)。
虹橋発・昆明経由麗江行きのFMで、雲南省初上陸。

「10年・旧正月の予定」などと題して、旅への意気込みやら妄想やらを出発前に
書き連ねるのが毎度恒例のパターンとなっていたが、今回はそんな暇はなかった。

前の晩から出発直前まで一睡もせずに仕事していた。
徹夜で仕事なんて、冴えない新入社員の頃以来である。
ふだん真面目に仕事しないから後でツケが回ってくるのだ。
もちろん機内では涎垂らして大爆睡。

寝ぼけ頭で麗江バスターミナルへ向かい、香格里拉行きのバスチケットを求める。
初日は麗江の観光はせず、完全に香格里拉への移動日と決め込んでいる。

ところが、無愛想な従業員曰く。



「香格里拉行き?出ないわよ、春節だもの。



マジかよ…orz

旧暦元旦(14日)の2日前ならまだ大丈夫かと思っていたが…
徹夜仕事と移動で衰弱しきった身体には一層堪える。

残る移動手段は、バスターミナル周辺にたむろしている
タクシーか、或いは面包車(乗り合いのワゴン)か。

最初に声を掛けてきた乗り合いワゴンに値段を訊いてみると、
1台450元(MAX7人?乗り・何人乗っても合計450元)。
やっぱり1人では到底割に合わない。

では、タクシーはどうか。

700-800元? ワゴンより高いの?


もう香格里拉行きは諦めようか。
ホテルのキャンセルだけは面倒そうだが、支出を最小限に抑えられる上、見所の多い
麗江により多くの時間を充てることもできる。最もクレバーな選択と言えるだろう。


―いや、それはダメだ。



理想郷・シャングリラ。
この機を逃したら、生涯足を踏み入れることができないかもしれない。




…おばちゃん、出発だ。
午後4時。腹を括って450元の相乗りワゴンに一人乗り。

いるかどうかもわからない相乗り客をボーッと待ってる時間的猶予はない。
また、僕は元々値切り交渉が苦手な上、特にこの局面は僕の方が明らかに弱い立場にある。
僕の力量では値切れてもせいぜい数10元が関の山だろう。たかだか数10元のために
グズグズとネゴするくらいなら、最初から言い値で乗った方がマシだと考えてしまう。

年季の入ったワゴン。途中で旦那さんを乗せ、いざ香格里拉へ。
いわゆる高速道路はなく、山あいの道をウネウネと北上する。

麗江は上海よりもかなり暖かく、陽射しが気持ちいい。
真ん中の2人席に仰向けに横たわると、すぐさま深い眠りへ…。


午後8時、香格里拉到着。
麗江からの所要時間およそ4時間のうち、7割方は寝ていた。
ホテルの前にバスターミナルへ立ち寄ったが、既に閉まっている。

―ホテルで一息入れ、晩飯を食いに出かける。

現地に来てみて初めてわかったことだが、この辺では「ヤク」を食べるらしい。
ヤクって、あの牛みたいな動物。中国語で「マオ牛」。(マオ=毛へん+牛)

というわけで、初日の夜は、香格里拉名物「ヤク鍋」の店へ。
大亀山公園の付近にある、ゲストハウス併設の食堂だ。


旅先で薬酒を飲むのが大好きで仕方がない。
おばちゃん、これ1杯くれ。


「ぐおぉ…!!」

こいつは効くぜ。

予想よりも薬の味が薄く、白酒のアルコール味がより強く感じられる。
ただ、度数はそれほど高くなさそうだ。38度くらいだろうか。


大理ビール!
なるほどね、雲南では大理がメジャーってわけか。
常温だが、雲南でも北部の香格里拉は結構寒いので許せる範囲。
これは恐らく低価格帯ビールの部類だろう。そんな味がする。


ヤク鍋、来た!
ヤクの肉と大根が入ったベースのスープに、野菜など好きな具を追加で入れる。

お椀に取り分け、薬味の唐辛子を振りかけて味わう。


「…!!」

ヤク、旨い。
これまで味わったことのない、独特の獣臭。
脂身たっぷりの肉の塊をグニュグニュと噛み締めると、
濃厚な旨味と脂の甘みが溢れ出る。

ビールもう一本!

ベースの味付けは、醤油と八角。
この八角が実にいい感じで利いていて、野性味溢れるヤクの香りと見事に調和している。
スープの表面にはヤクの脂の膜が数ミリ浮かんでおり、かなり「こってり」した味わい。

貴重な体験に大満足。旅行気分が加速度的に盛り上がってきた。

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2月13日(土)、香格里拉。

悪性の二日酔いと胃もたれで、あまり気分が良くない。
原因は、あの薬酒だろう。あまり良くない酒を使っているに違いない。

朝ホテルを出て最初に向かったのは、バスターミナル。
麗江へ帰るバスのチケットを買うためだが、唯一の便は午前9時半発。

あと30分しかないじゃないか。

早々と諦め、バスターミナルからタクシーに乗って観光へ出かける。


チベット寺院・松賛林寺(周辺)。秘境の香り溢れる集落。

中に入ってみよう。
タクシーは麗江までの「1日契約」。
バックパックはトランクの中に置きっぱなしでOKだ。


階段を上り、本堂へ。

―階段を上りきると、すぐそこに「チベット仏教グッズショップ」が立っていた。


レアアイテム「チベットの首飾り」ゲット!
様々な災いから身を守ってくれそうだ。

敷地内をゆっくり歩きながら、
チベット僧たちの質素な暮らしぶりを垣間見る。

悟りを開けばそこは理想郷…というわけか。

―松賛林寺を出て、大亀山公園へ。


巨大マニ車。
その場に居合わせた3-4人の家族連れと力を合わせて
この巨大マニ車を回そうと試みたが、全然ビクともしない。


独克宗古城。
春節のせいか、多くの店が閉まっており、人影もまばら。

ここで昼飯を食べたら香格里拉を出よう。
古城内にあるチベット食堂に入る。

「…!!」

これは…


松茸酒!
キノコの王様・松茸のエキスが凝縮された酒。
さぞかし美味いに違いない。


「…!?」


日本で食べる松茸の、あの芳しい香りをイメージしていたのだが…
そんな上手いこといくわけないか。酒の香りがキツい。


干し松茸炒め。
日本人は松茸に本当に目がない。

キノコの王様・松茸を中国では干して食べるのか。
さぞかし旨味が凝縮されてて旨いに違いない。

「…。」

悪くはない。悪くはないんだけど…。
今目の前にある干し松茸炒めの味と、心に抱いている
松茸のイメージとの埋まらないギャップに思い悩む。
松茸の香りのいい部分が失われ、よくない部分が強調されているような気がする。


―タクシードライバーのおばちゃんから電話が掛かってきた。

「あんた、まだご飯食べてるの?」

もうすぐ出るからちょっと待っててくれ。

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街なかの車を掴まえて乗るのは非常にリスクを伴う行為である。
下手したら変なところに連れてかれてしまいかねない。その中で今回
行き帰りともに愛想のいいおばちゃんドライバーに当たったのは幸運だった。

行きのワゴンが450元で、帰りのタクシーが600元。
99元の飛行機が空を飛ぶ今の時代、4時間の車移動に払う金額としては
確かに馬鹿げているかもしれないが、この程度の金を惜しんで
訪問を取り止めていたら、一生後悔が付きまとったに違いない。

上述の松茸ではないが、正直な話、僕の目に映った
香格里拉という街は「理想郷」のイメージとはだいぶ違った。
何だか寒々しくて…。

帰りのタクシーのおばちゃんによると、7-8月頃が草木も青々としてて最もいい時期だという。
夏場に訪れれば、文字通りの「理想郷」が広がっているのかもしれない。

2010.02.23 Tuesday / 旅行-雲南 / comments(0) / trackbacks(0)
#麗江オールドタウン(10旧正月2)

2月13日(土)。
香格里拉からタクシーで4時間、この旅最大の目的地「麗江」に到着。
バックパックを背負い、まずは宿泊先のホテルへ向かう。


ヤクヨーグルト!
ヤク乳特有の獣臭さに、こってりとした脂肪分。
車移動で疲れた身体がほっと癒される。


麗江古城内のホテルは、古い建屋。
室内の設備は簡素だが、中は清潔そのもの。
それにしてもこの佇まい、趣あるなぁ…。

一息入れて、古城散策へ繰り出す。

―どこからか、いい匂いが漂ってくる。


おぉ、ヤクの串焼き!
心のツボをピンポイントで突かれた。これは必食だろう。
最小オーダー単位は3本10元。あ、唐辛子多めね。

大理ビールを添えれば、まさに完璧。


「…!!」

獣臭、最高。
ワイルドな香りを帯びたヤク肉を噛み締めると、力強い旨味と脂の甘味が溢れる。
かなり濃い目の味付けと相まって、ビールとの相性は完璧。

ヤク3本と瓶ビール1本のセットをあと2~3回繰り返したかったところだが、
これはあくまで「おやつ」。後で晩飯を食べなきゃいけないので、ここはぐっと我慢する。


麗江古城のシンボル「大水車」のそばに、願掛けスポットを発見。
木の板でできた風鈴に願い事を書いてここに吊るすと、願いが叶うという。

日本の絵馬みたいなもんだな。

ってことは…きっと「ムカ絵馬」もあるに違いない。
ぶら下がった風鈴を1枚1枚読んでみる。

言葉の違い・また語彙の多寡も影響しているかもしれないが、ここでは
「宝くじで500万元当たりますように」というのが1枚見つかったくらいで、
あとは「健康長寿」「一家平安」みたいな、みんなまともな願い事ばかり。
こと「絵馬」の場においては、日本人の方が明らかに欲が深いように思える。

せっかくだから、僕も1枚書こう。



願い事、叶うといいな★



世界文化遺産に登録されている麗江古城。
土産物屋を冷やかしながら敷地内を練り歩いてるうちに、
すっかり夜が更けてきた。そろそろ晩飯でも食べるか。


大音量の音楽がガンガン聴こえるバー街。
ダンスショーやライブ演奏など、派手なイベントの様子が外からもよく見える。
それにしてもこの通り、ひと大杉。ここは「二次会」で覗いてみることにしよう。



麗江は、ナシ族(納西族)の街。
ここならナシ族の料理を味わえるだろう。

夕方にヤクをつまみ食いしたので、実はあまりお腹が減っていない。
メニューを開き、比較的軽そうな料理を探す。

「ナシ族ソーセージ」。
「ナシ族チーズ」。

ナシ族はソーセージやチーズも食べるのか…よし、これだ。
ソーセージとチーズを軽くつまみながらビールとしゃれ込もうじゃないか。

―従業員が僕の席に料理を運んできた。

「…!?」

一瞬目を疑った。これ、間違いじゃないの?


ナシ族ソーセージ。
確かにソーセージは入ってるけれども、ピーマンやショウガと
一緒に炒めたものが出てくるなんて夢にも思わなかった。とりわけ、
ショウガの量が尋常じゃない。これがナシ・スタイルってやつなのか。
素朴な中国ソーセージという趣でなかなか味わい深いが、
正直ソーセージそのままの状態のを食べたかった。



ナシ族チーズ。

ていうか、何これ?
白いチーズのスライスが油で揚げてある。そして白い粉は、砂糖。

…ねぇ、塩持ってきてくれる?

やはり塩の方が幾らかビールには合う。
ただ、どうも味が単調。また油がしつこくて、すぐ飽きが来る。

最終的には「砂糖・塩両方づけ」が最も旨いという結論に。
なぜ客の俺が自分で悩んで味付けを考えなきゃいけないんだろうか。
内モンゴルみたいにチーズのスライスをそのまま出してほしかった。

お陰でビールは1本しか空かず。
麗江最初のディナーは豪快にハズしたのであった。

あぁ、飲み足りねぇ…さっきのバー街へ行こう。


「サクラカフェ」。
一通り歩いて回ってみたが、ここが最も「クラブ」に近い。

音楽に揺られながらビールを何本も飲んでいるうちに、気分が盛り上がってきた。

「へぇー、成都から来たんだ。1回行ったことあるよ。」

成都のギャルとさらに盛り上がろうとしたその矢先、大音量の音楽が急に止まった。
何事かと思ったら、いきなりチベット族(風)の男女が現れて…



ヤッソ! ヤッソ! ヤッヤッソ!



民謡の大合唱。
しばし茫然とその場に立ち尽くす。

大盛り上がりの客も少なくないが、僕はふと我に帰ってしまった。
明日は朝早いし、シメ食って寝よう。


雲南のローカル麺・餌絲。この「餌」っていう字がいいよね。
ぱっと見「米線」と区別がつかないが、米線よりも歯応えがある。
ピリ辛のあっさりスープと酸菜。酒飲んだ後に食べると余計旨く感じる。

麗江には計3泊することになっている。
まだまだ時間を掛けてゆっくり歩き回れると思うと楽しみで仕方がない。

2010.02.24 Wednesday / 旅行-雲南 / comments(0) / trackbacks(0)
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