4月30日(月)午前9時過ぎ。
年季の入ったトヨタのワゴンに乗り、トルファン1日ツアーが始まった。
公道を走るロバ車とすれ違いながら、最初の目的地「交河故城」へ。
…目の前に広がる光景に、思わず息を呑む。
悠久の時を経て、完全に干からびた廃墟。
しかしながら、この整然とした街並み、佇まい。
かつての大都市の風格は決して色褪せていない。
遠い昔ここに生きた人々の息吹を感じる。
いきなり凄いところに来てしまった。余韻に浸りながら車に戻り、
続いて「カレーズ博物館(カレーズ=地下水道)」「蘇公塔」を回る。
車はもともと1人で手配していたが、蘇公塔から戻ると、知らぬ間に
客がもう1人同じ車に乗ることになっている。料金安くならないのか
一度訊いてみたが、だんだんそんなことはどうでもよくなってきた。
新しい仲間は、中国人の利口そうな男子大学生。上海から来たという。
東側の火焰山に向かって、乾いた砂漠の田舎町をひた走る。
余裕で30℃オーバーの超快晴。窓から入る風が最高に気持ちいい。
女の娘の前を通過する度に、窓から身を乗り出して手振ったり声かけたり(笑)。
この「おバカな学生ノリドライブ」、多くの有名観光地と並んで
今回の旅でも特に思い出深いシーンのひとつである。
「火焰山」西遊記に登場したことでも有名。真っ昼間に来たので、
本で読んだ通りの「燃えるように赤い山」は拝めず。
その後「アスターナ古墳群」「ベゼクリク千仏洞」を立て続けに訪問。
これらは特に印象なし。アスターナはミイラが1体あるほかは「ほぼ空き地」、
ベゼクリクに至っては何かの理由で入場すら出来なかった。
1日ツアーのラストは「高昌故城」。
だだっ広い敷地内をロバ車で駆け抜ける。
交河故城と同じく、風化しきってもなお残り続ける、昔の栄華。
午後3時過ぎ、高昌故城を出る。
前の晩食べ過ぎたので、昼飯抜きでも腹は減っていなかったが
運転手がそろそろ限界の様子。こじんまりした町に寄り、遅いランチタイム。
また夜にたくさん食べたいので、ここではトマトを。
このトマトの旨いこと!みずみずしくて、味が濃くて。
夏に実家で食べる、近所で獲れたトマトを思い出す。
売店で見つけたインスタント麺。
「一休さん」とウイグル文字の組合せに、目が釘付けになる。
こういうセンスが大好きで仕方がない。
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午後4時過ぎ。トルファン市内に戻り、ツアー終了。
まだまだ真っ昼間、これからどこで遊ぼうか…。