昨年9月にオープンした、一大グルメ&エンタテインメントスポット「同楽坊」。
先週の日曜日、ここへ昼飯を食いに行く。前日は対面のサウナに泊まっていた。
正午前、徒歩30秒で到着。
フリーペーパー各紙では「いま上海で最もアツい!注目の新スポット!!」
ぐらいの勢いでガンガン煽られてたが、この時間は
客が全くおらず、警備員のおっさんがやけに目立つ。
手元のフリーペーパーを開くと、
「正真正銘のオーストリア料理を堪能」できるレストランがあるという。
窓ガラス越しに見えるガラガラの店内にためらいつつ、中に入る。
2階建てのだだっ広い店内に、客は自分ひとり。
時間が早いとはいえ、こんなんで経営が成り立つんだろうか…。
ドイツ語・英語・中国語併記のメニューは、見てもよく判らない。
とりあえずメインディッシュ最上段の料理と、あと生ビール。
タイガーの生。かなり味が薄いが、真昼のビールは旨い!
メインディッシュの正体は、トンカツだった。デカくて薄っぺらいトンカツ。
別皿でサラダも出てきたが、何ともそっけないビジュアルである。
カツには何もかかっておらず、謎のソースが小皿に添えてある。
「…ジャム??」
恐る恐る舐めてみると、やっぱりジャムだった。
慌ててメニューを読み返すと、確かに「クランベリーソース」と書いてある。
そういう意味だったのか。
トンカツにジャムをつけて食せと、真顔で言ってるのか。
ここは「正真正銘の」オーストリア料理店である。
偉大な音楽家を数多く輩出したオーストリア。
口に含んだ瞬間、芸術的な味覚の境地が広がる…そう信じたい。
「…。」
サクサクのトンカツと甘酸っぱいジャム、
それぞれの味がバラバラに味覚を刺激する。まるで何も調和しない。
半ば義務感に駆られ、あと数切れをジャムにディップするも
カツはまだ半分以上残っている。やむなく卓上の塩を振りかけて完食。
母校の近くに「チョコとん」(チョコ入りのトンカツ)を売りにしてる食堂があった。
オーストリア料理を代表するメインディッシュの一つは、
「チョコとん」と大差ない料理だった。