#新疆インスパイア・リターンズ |
先週の土曜日。
大学時代の先輩・Iさんを飲みに誘ってみる。
「何か食べたいものあります?」
「俺は何でもいいよ。新疆料理でもいいし…。」
決まりだ。
ここのところ足が遠のいてしまっていたが、
一時は毎週のように食べていた、新疆料理。
羊肉串で思いっきりビールを飲もう。
これまで訪れた中で最も旨いと思う店、西康路×武定路の「東方亜克西」へ。
新疆の民族ライブをやってる2階は満席。
2階は盛り上がっているが、同時に騒がしくもあるので
2人でしゃべりながら飲むには1階の方がいい。
まずはお決まり、新疆黒ビールで乾杯。
しばらく来ないうちにラベルのデザインが変わっていた。
味は変わらず旨い。黒の淡い苦味と爽やかな飲み口。
来た、羊肉串!
ここの羊肉串は特に肉が大ぶりで旨い。
赤身肉からは羊肉独特のワイルドな香りが、そして
白い脂身からは切ないほどの甘み・コクがジワリと溢れ出てくる。
これらがスパイスの絶妙な香り・辛味と相まって…。
羊肉串ほどビールに合う食べ物をほかに知らない。
続いて「薄餅羊肉」、これも定番メニュー。
ここのはクミンスパイスではなく「豆豉」で味付けしてあり、
どちらかというと漢民族テイストだ。
万能調味料の豆豉は、もちろん羊肉ともよく合う。
そしてやっぱり、拌面は外せない。
「旨い!」拌面初体験のIさんが凄く驚いていた。
コシが強く滑らかな手打ち麺、その力強い食感と小麦粉の香りに、
トマトソースの甘みと淡い酸味が絶妙に絡む。
思わず、もう1皿頼む。
この麺がめちゃくちゃ長くて、取り分けるのに一苦労。
見よ、この長さ!1本2メートルはあるな。
ハサミで切ってくれる店もあるが、こうやって
立ち上がって腕伸ばしたりしながら取るのが楽しい。
残念ながら来月に帰国されるIさん。
まだ何度かご一緒できる機会はあるが、大好きな新疆料理を
こうしてつまみながら飲んで語ることができて本当によかった。
ただの気だるい土曜日が、思い出深い夜となった。
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昨年5月の新疆旅行から1年以上が過ぎた。
今年に入って色々とキナ臭い事件が起き、新疆も当面は「行けない地域」になった。
チベットや大地震の四川も入れると、今や中国全土のうち
西側のおよそ半分は「行けない地域」である。
旅行好きの日本人としては非常に残念だが、
上海では中国各地のローカル飯が食べられるし、
「行けない地域」以外にも面白そうな場所は実際にたくさんある。
そう悲観的にならず、「行けない地域」各地の今後に注目したい。
#青浦の羊肉屋台 |
先週の土曜に新疆料理を食べ、久しぶりに「羊肉熱」が復活した。
余韻覚めやらぬ1週間後の昨日、今度は青浦にて。
午後9時45分、界経港路※の野菜市場前。(※"経"は三ずい)
青浦の人気羊肉屋台「馬氏兄弟爆火碳烤」、移転後初訪問。
以前は東方商厦の脇の駐車場にあった。
モウモウと煙を上げ、元気に営業している。
城市警察の警備が厳しく(煙がたくさん出るので)、
夜8時過ぎ〜10時頃にならないと開店しないらしい。
およそ半年ぶりの訪問だが、店のおばちゃんは僕のことを覚えてくれていた。
整然と並ぶ串焼きの数々。
以前より種類が増えてる気がする。そして、心なしか以前よりも旨そうだ。
オーソドックスに、羊肉串とニンニクの芽を注文。
羊肉串は既に焼いてあるようだ。
移転前の看板メニュー「羊筋」は無くなっていた。
ビールは雪花とバドワイザーの2択。
雪花は全部常温だったので、今回はバドワイザー。
冷え具合は正直イマイチだが、大目に見よう。
焼きあがった串を受け取り、
安っちいテーブル・ちっちゃいプラスチックいすに座る。
久しぶりの馬氏。緊張の一口目…。
「…旨い!!」
やっぱり旨くなってる!
移転前の羊肉串は肉付きが寂しく、また脂の味も少々古いような感じで
イマイチだったが、肉の味・ボリュームともに断然進化している。
羊筋がなくなっても、これなら大満足。
ニンニクの芽も相変わらずいい。みずみずしい食感、爽やかな香り。
席から見た風景。夜は既にだいぶ涼しくなった。
冷静に評価すると、一つだけ残念な点がある。
それは、串焼きの温度。羊肉串は焼き置きしてあるのを2度焼きしていて、
生の状態から焼いたものほどアツアツではなく、また冷めるのも早い。
しかし、こういうどローカルな屋台で、羊肉串を片手にビール飲んでいるとき。
極めてB級なこの状況にこそ、心底幸せを感じる。
高級中華や日本食なんかより、断然こっちだ。
何と安上がりな人間なんだろう。
串とビール追加。
串は他にもたくさんあるが、やっぱり羊肉串とニンニクの芽がお気に入り。
この脂身なんて、泣けるほど旨い。
2度焼きだろうが、ビールが多少ぬるかろうが、そんなことは全然問題にならない。
「ここ、一人?」
食後の一服をしていると、若い男が僕の対面に座った。
その直後、男の連れが串を15本くらい持ってやってきた。
隣のテーブルは、ギャル3人組。
老若男女問わず、多くの青浦人に愛されている馬氏。
青浦なんて元々そんなに綺麗な街じゃないんだし(?)、
煙が汚いので早い時間に開けるなとか、ナンセンス極まる。
城市警察だか何だか知らないが、ケチくさいこと言わないでほしい。
ともあれ、一時は無くなったかと思った馬氏が見つかって本当によかった。