#日本のうなぎ(08国慶節1) |
9月27日(土)、岐阜県中津川市。
2月の旧正月以来の一時帰国。久しぶりの一家団欒に心が和む。
晩の食卓で、母親からこんな一言。
「明日うなぎでも食べに行ったら?」
うちの母親には僕の心が見えているのだろうか。
日本に帰ったら、旨いうなぎを食べたい。
ちょうどそう思っていたところだった。
9月28日(日)。
祖父母と3人で、加子母まで足を伸ばす。
いま地元で最も評判のうなぎ屋「かばまる」。
辺鄙な国道沿いの店だが、ピーク時には行列もできる人気店らしい。
注文はもちろん、特上うな丼。
NHKの「のど自慢」を見ながら、出来上がりを待つ。
うな丼にきも吸いは欠かせない。
上品なお出汁、三つ葉の爽やかな香り…これぞ日本の美味。
遂に来た、特上うな丼。
大ぶりの分厚い蒲焼2切れ、この堂々たる姿!
表面の光沢が眩しい。
「…!!」
あまりの旨さに、思わずうなり声を上げる。
こんがりと焼き上げられた蒲焼の、表面の食感。
直後に溢れ出る、うなぎの旨み、脂の甘みとコク。
甘辛いタレをまとったご飯とともに掻き込めば、幸福の絶頂に達する。
ずいぶんと長い間忘れていたが、これが本当のうなぎの味。
中国で食べるうなぎとの差は歴然。泥臭さは微塵も感じない。
心の底から沸き上がる満足感。
うれしいことに、ただでさえ食べ応え十分な蒲焼が
ご飯の中にもう半切れ隠れていた。さすが特上!
2週間経った今でも、ふと気がつくと
あのうなぎの味を思い出して余韻に浸っている自分がいる。
#物産展のラーメン(08国慶節2) |
実家では本当にのんびりと過ごした。
DSのドラクエ5に没頭し、祖父のカローラ(もみじマークつき)を
乗り回して買い物に出かけ、夜は旨いメシをたらふく食べた。
10月2日(木)。
この日は会社の以前の上司と名古屋で飲む約束をしていた。
少し買い物をしたかったので、昼前に名古屋に入る。
名駅から地下鉄で栄まで移動。
三越の入り口を通りかかると、「大北海道展」の文字。
足が勝手に会場の階へ向かう。
デパートの物産展は昔から本当に大好きだ。
実際に物産を買うことは殆どないが、この活気溢れる雰囲気。
売り子の威勢の良い呼び声。人々の熱気で他のフロアより2-3度高い温度。
海産物の磯の香りとスイーツの甘ったるい香りがごっちゃになった、独特の匂い。
見て回るだけで、現地のお土産屋を歩いているような、楽しい気分になる。
イートインコーナー。
旭川の有名ラーメン店「橙ヤ」の行列に並ぶ。
海鮮丼とどちらにしようか迷ったが、チャーシューメンの写真のインパクトが勝った。
注文したのは「炭火焼チャーシューメン(黒醤油)」。
旭川といえば、やはり醤油だろう。黒醤油っていうのも気になる。
1杯1,200円以上と、値段はかなり高め。
並び始めてから賞味30分、ラーメンが出てきた。
炭火焼チャーシューメン(黒醤油)。
この分厚いチャーシュー!1杯1,200円も思わず納得してしまう。
まずはスープから。
「…!!」
旨い。豚骨メインのスープは、力強く奥深い味わい。
そして、黒醤油がいい。丸大豆の芳醇な香りに、キレのある塩気。
スープは申し分ない。
そしていよいよ、お楽しみのチャーシュー。
「ぐはぁ…。」
旨い。噛み締める度に溢れ出す、豚の旨みと脂の甘み。
炭火で炙られたことで、香ばしいスモーキーな香りがついている。
何より、その食べ応え・ボリューム。
チャーシューと麺の比率がもの凄いことになっている。
一口ごとにチャーシューを思いっきり齧って麺を啜っても、
まだチャーシューの方が多いほどだ。
こんなに贅沢なチャーシューメンは食べたことがない。
また、これだけ大量の豚を食べても、変な胃もたれ感はない。
それなりに質の良い豚を使っているに違いない。
麺もいい。かん水が入った黄色の縮れ麺。
かん水の香りがする麺は中国ではなかなか食べられないので、なおさら旨く感じる。
食べ進めるにつれ、スープの味が徐々に変化してゆく。
チャーシューのスモーキーな香りがスープに移っているのだ。
醤油とチャーシュー、ダブルの香ばしさ。もちろんスープは完飲。
文句なしに素晴らしいチャーシューメンだった。
旭川まで行こうと思ったら大変だが、物産展なら
地方の名店の味を近場で気軽に味わうことができる。
やっぱり物産展は楽しい。