#蟹ツアー・3年目 |
今年も上海蟹の季節がやってきた。
というわけで、SNSのコミュニティ主催・陽澄湖日帰りバスツアーに参加。
蟹ツアーは今日で通算3回目。赴任した06年から毎年欠かさず参加している。
バスの中の顔ぶれを見渡してみると、去年のリピーターと思しき方々も多い。
特にその後交流していたわけではなく、何となく顔を覚えてるという程度だが。
同じ時期に、同じ場所で、同じ顔ぶれと旨いカニを食べる。
去年より旨いカニを食べたいとは微塵も思わない。
去年と同じでいい。同じくらい旨ければ最高に満足だ。
ところが、今年は少々様子が違った。
「生啤さん、ですか?」
「"朝風呂集団"の人ですよね。」
去年のリピーターと思しき女性、手にはハイネケンの缶。
去年は席も別で特に何か会話したわけではなかったが、
何と彼女は僕のブログをたまに読んでくれていた。
有難くハイネケンを頂戴し、ここから後ろのグループの酒盛りの輪に加わる。
それにしても、朝っぱらから飲むビールは格別に旨い!
2缶目が空くころ、バスは陽澄湖に到着。去年と同じレストランだ。
バスの酒盛りグループは同じテーブルに座り、さらに
「のんちさん」らも加わって、全3卓の中でも断トツの「飲み卓」を形成。
カニの登場を待たずして、序盤からビールをガンガンあおる。
とりわけ、僕の隣「カメイさん」の飲みっぷりには目を見張るものがある。
「ムサさん」から、オーストラリアビールの差し入れ。これは嬉しい!
ホップの香りがが強く、抜群に旨い。
上海蟹、来た!
昂ぶる気持ちを抑え、まずはオスの胴体を開く。
山吹色のミソ、今年も目に眩しい。
カニミソでベタベタになった手で、どアップの写真を撮りまくる。
「…!!」
あまりの旨さに思わず目を閉じる。
上海ガニミソ特有の濃厚なコクがねっとりと舌に絡みつく。
この感動の度合い、初めて食べたときから少しも変わらない。
もちろん、ビールのピッチは速まる一方だ。
去年マスターした、カニ脚食いの極意。
両端の殻を噛みちぎり、中に脚の先を突き通すと、まるでカニカマのように肉が出てくる。
今年は調子に乗って、初めての方に講釈まで垂れさせて頂いた。
今年も欠かせない、甲羅に紹興酒。
僕はどんな料理とでもビールを飲むが、本来上海蟹は紹興酒と食べるのが王道。
過去2回ともに、酒=カニの引き立て役であり、メインはあくまでもカニだった。
今年はどうもこの関係が逆になっているような気がする…。
まぁ、旨くて楽しければ、そんなことはどちらでもよい。
間髪入れずに、メスのカニに手を伸ばす。
#蟹ツアー・3年目(続き) |
2匹目はメス。
去年は「オス派」が多かったが、僕はメスのタマゴも大好きだ。
鮮やかなオレンジ色のタマゴ!
ホクホクとした食感と濃厚な旨味がたまらない。
いやはや、今年も大満足。
カニの余韻に浸りながら、ビールを飲む。
…しばらくすると、テーブルのどこかから信じられない一言が。
「カニ、2匹余ってるんですけど。」
マジですか!?
今すぐにぶんどって食べたい。
そんな欲望を必死で押し殺し、しばらくテーブルの様子をじっと見回す。
性別、年齢…一般社会の序列・常識で考えたら、
僕はこのテーブルの中で最もプライオリティが低い。
「然るべき人に食べてもらうべきだ。意地汚い真似はよせ。」
「もう2匹食べたから十分満足だろう。」そう自分に言い聞かせる。
ところが、みんな気を遣っているのか、遠慮してなかなか手を挙げない。
大皿に寂しく残されたメスガニ2匹を中心に、張り詰めた空気が流れる。
…よし、今なら行ける。言ったもん勝ちだ!
「僕、頂いちゃってもいいですか?」
見事3匹目ゲット!
残った2匹のうち、もう1匹はカメイさんの手に。
この3匹目がミソも一番多く、今日食べた中で最も旨かった。
背徳の味?いや、情熱の勝利。実に得した気分だ。
上海蟹を満喫したあとは、松江の映画村へ。
移動中寝ないように頑張っていたが、酔いが回って力尽きる。
ここは昔の南京路を再現したもの。
いわゆる「オールド上海」というやつ。
酒飲みグループはここでもビール!
キンキンに冷えたバドワイザーに、おつまみのえびせん。
飲みながら建物の中の展示物を見て回る。
この信号は見覚えがある。
映画「カンフーハッスル」で、チャウシンチーが
中に入ってボコボコ手形をつけてぶっ壊した、あれだ。
帰りのバスでも爆睡、気がついたら解散場所に到着していた。
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それにしても、今年の蟹ツアーはよく飲んだ。
同時に、これまでで最も楽しかった。
(その証拠に、日記が1回に収まらなかった。)
酔っ払って気持ちよくなったせいも多分にあるが、
「酒飲みグループ」の人々と交流できたのが何よりも大きい。
次の蟹ツアーは1年後まで待たなければならないが、
酒飲みイベントは頻繁に行われているに違いない。
今後は積極的に参加させて頂きたい。