上海朝風呂集団有限公司

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2010.10.11 Monday / - / - / -
#極寒ツアーの始まり(09旧正月1)

1月24日(土)正午前、ハルピン太平空港。
念願の黒龍江省初上陸。

空港の「着替え室」(という部屋がある)で防寒具一式を装着。
バックパックを抱えて市内行きのリムジンバスに乗り込み、火車站(ハルピン駅)で下りる。

一にも二にも、まずは電車のチケット。
黒河へ行く今夜の夜行列車、その席を一刻も早く確保せねばならない。

切符売り場の行列は想像よりも短かったが、
窓口に尋ねると、寝台席・座席ともに売り切れ。
結局僕が掴んだのは「無座」と書かれたチケットだった。

少々の「立ち乗り」は免れないが、じきに席は空くだろう。
何はともあれ、チケットが無事手に入ってよかった。

ほっと胸を撫で下ろし、さっそくハルピン市街の観光へ。
バックパックを背負い、徒歩で中央大街方面に向かう。

飛行機のアナウンスによると、この日の気温は*マイナス19℃。
さすが黒龍江、噂通りの寒さだ。
しかし、完璧な防寒装備を身に纏った僕にとって、
この程度の寒さは余裕。胴体など、むしろ暑いくらいだ。
*その後の体験から、実際にはマイナス15℃弱ほどだったのではないかと思われる。


来た、ソフィスカヤ教堂!
このネギ坊主に相見える瞬間を、どれほど待ちわびたことか。
威厳あるその姿に、さっそく魅了される。
その脇にある氷の彫刻もまた美しい。


腹が減ったので、中央大街の脇道のローカル食堂へ。
この古びたロシア風建築、いかにもハルピンらしい佇まいだ。

看板メニューの「扒肉」(角煮)を頼み、いつものように
バシバシ写真を撮ろうと、液晶を覗き込んだところ…

真っ白に曇っている。

マイナス19℃から急に暖かい室内に入ったため、
レンズが一気に曇ってしまったのだ。
なるほど、これが黒龍江の寒さってやつか。

カメラを手で握り締めて温めたり、ハンカチで
レンズを拭いたりして、ようやく曇りが取れてきた。


「扒肉」。
じっくり煮込まれた豚の三枚肉。
プルプルの脂身の、とろけるような甘み…メシウマ!
卓上に生ニンニクが置いてあるあたり、何とも東北らしい。
ニンニクを齧りながら食べれば、ただでさえ
半端ないメシウマ度が数倍にもグレードアップする。
食べ歩きの面からも、今回はなかなか幸先の良いスタートだ。


メインストリート・中央大街を北上、「兆麟公園」の氷祭りに向かって歩く。
素晴らしいロシア建築の数々に目を奪われ、所々足を止める。


「兆麟公園」の氷祭り。
あのディズニーとコラボレートしており、
コンセプトとしてはなかなかメルヘンチックな氷祭りだ。

…しかし、昼間に来たせいもあるのか、
その寂れっぷりたるや、筆舌に尽くしがたいものがあった。
何となくどんよりとした空気、この写真からも感じられないだろうか。

場末の遊園地しかり、こういう寂れた雰囲気、実は嫌いではない。
他にいくらでも楽しい娯楽がある今の世において、こういう寂れた場所で
子どもが喜んではしゃいでる姿を見ると、何だか泣けるほど胸が切なくなり、
そしてまるで自分が支配人であるかのような錯覚、喜びを感じてしまうのだ。
そこには、ドラマがある。


黒龍江は日が暮れるのが非常に早い。午後5時15分で、外は既に真っ暗。
ライトアップされたロシア建築は一際美しい。

黒河行き夜行列車「N33」は、午後9時10分発。
出発まではまだかなり時間があるが、乗り遅れたら計画が完全に狂ってしまう。
大事をとって、8時前にハルピン駅へ入る。


有名老舗デパート「秋林公司」で買った、
ハルピン名物のソーセージ「紅腸」。

「…!!」

スモーキーな香りとニンニクの香りが、豚肉の旨味を存分に引き立てている。
実に味わい深い!これは聞きしに勝る逸品である。


ハルピンビール「小麦王」!!
早めに駅に入ったのも、実はソーセージを肴に一杯飲りたかったからだ。
ハルピンビールは上海でも好んで飲んでいるが、「小麦王」は初めて見た。
ここ黒龍江では、大体どこへ行っても「小麦王」。上海でも売ってる、いわゆる
普通のハルピンビール(青×白の缶)は、現地では殆ど見かけることがなかった。
普通のハルピンよりも、若干味が濃い気がする。

ハルピンビール&ソーセージは、まさに究極の組合せ。
発車時間を待ちながら、待合室で一人この上ない至福のひとときを味わう。


発車が近づいてきて、乗客が立ち上がり始めた。
それにしても、もの凄い人数だ。

―乗車案内が始まった。

明朝には、ロシアとの国境の町「黒河」。
大きな期待を胸に、ホームへ続く階段を下りる。

2009.02.02 Monday / 旅行-黒龍江 / comments(0) / trackbacks(0)
#スタンディング・インザトレイン(09旧正月2)

1月24日。
黒河行き夜行列車「N33」、ウィズアウト座席。



身動きも取れやしねぇ。
僕と同じ「無座」の連中が、通路をびっしりと埋め尽くしている。

これはトイレを待っている間に撮った写真で、僕の「定位置」は
中央左側で携帯をいじっている若者の隣(中央側)だった。
前方左側の席は空いてるように見えるが、既に先客がいる。

最初の1-2時間は余裕。この程度は日本でも珍しくない。
だが、3時間を越えたあたりから、脚が悲鳴を上げ始めてきた。
次の駅に着く気配も、他の客が下りる気配も全くない。

>少々の「立ち乗り」は免れないが、じきに席は空くだろう。

昼間チケットを入手したとき頭に浮かんだ
こんな甘っちょろい期待は、ものの見事に打ち砕かれた。

同じ無座でも、通路の壁際に座り込んで
気持ちよさそうに居眠りしている連中は何人もいる。
一方、今自分のいる位置は、最悪に近いポジションだ。
一瞬でもしゃがむことは不可能。手を置いて寄りかかる場所も、
網棚と座席の背もたれの僅かなスペースしか残されていない。
加えて、近くの天井からたまにポタポタ水滴が落ちてくる。
乗車前に乗り口を間違えて迷ったのが運の尽きだったか…。

―1月25日、午前1時。
乗車から4時間ほど経過したところで、
ようやく脚を屈められるスペースが生まれた。

…僥倖!!

脚の血液が一気に循環を取り戻すのを感じる。
10数秒後には人が通りかかり、再び起立を余儀なくされたが、
これまでの人生、ただしゃがむだけでこれほどの悦びを感じたことはない。

この後もしゃがむチャンスは幾度か訪れたが、しゃがむ悦びが
薄れてきた頃には、既に全身が肉体疲労に陥っていた。

僕の隣にいた、上の写真で携帯をいじっている若者。
長時間スタンディングの艱難辛苦を共に味わっただけでなく、
彼は僕に対して非常に親切にしてくれた。
アイスキャンデーをご馳走してくれたり、
彼が確保した座席を途中で譲ってくれようとしたり。

アイスキャンデーについては、当然僕も代金(1元)を彼に差し出したが、
最後には彼に押し切られてしまった。彼の好意に素直に感謝すると同時に、
自分よりも明らかに収入の少ない年下の若者に、たとえ1元でも
「おごられる」立場になってしまった自分を恥じる。

この上座席まで甘んじて譲り受けるなど、絶対にあり得ない。
そんな申し訳ない気持ちに苛まれつつ座るくらいなら、立っていた方が楽だ。

―彼の下りる「北安」が近づいてきた。

「もうすぐ下りるから。」

北安駅までは少し間があったが、ほぼ自然な形で彼と席を替わることができた。
初めて座席に座ったときには、乗車から5時間弱が経過していた。
この北安で半分以上の乗客が下り、一気に席が空いた。

同時に、暖房ストップ
車内の温度が一気に下がっていった。

服を着込み、座席の脇の棚に突っ伏して、泥の様に眠る…。

(内側が凍っているのは、暖房ストップ前から。)



―午前7時、黒河駅到着。移動時間9時間50分、うちスタンディング半分。

外に出た次の瞬間、ハルピンよりも数段上の寒さが襲ってきた。
胴体は問題ないが、顔と手に痛いほどの寒さを感じる。


北安の若者。彼の親切がなければ、この移動はもっと辛いものだったに違いない。
昨晩(2/1)、彼にお礼のeメールを送った。

「上海に来る機会があれば、是非連絡を下さい。ご馳走します。」

2009.02.02 Monday / 旅行-黒龍江 / comments(0) / trackbacks(0)
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