上海朝風呂集団有限公司

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2010.10.11 Monday / - / - / -
#インナーモンゴリア(09国慶節1)

9月28日(月)、フフホト市。内モンゴル自治区初上陸。
今年の国慶節、9連休をフルに使った「ぼうけんのたび」が始まった。

初日の今日は完全に「準備デー」。
まずはフフホト駅で電車のチケットを購入した後、間髪入れずに現地の旅行代理店へ。
今回最大の目玉「大草原ツアー」を満喫するには、情報収集が欠かせない。

2軒回ったところで大体のイメージが掴めてきたが、この2軒で
扱っているのはいずれも1泊2日の草原ツアーor砂漠ツアーだった。

草原は外せないけど、せっかくだから砂漠も見てみたいし、
あとチンギスハン陵にも絶対行きたい。2泊3日で全部回れるような
ツアーがあったらいいんだが、どうやって折り合いをつけようか…。

―気がつけば午後2時。
腹減った…昼飯食べてから考えよう。
ここは内モンゴル、やはり「モンゴル料理」を味わいたい。


フフホトは結構な大都会。だだっ広い道路の脇にビルが立ち並び…
過去に訪れた省都レベルの地方都市と似たようなイメージで、
今のところ歩いてきた限りでは「らしさ」はあまり感じられない。

大通りを外れ脇道に入ると、ちょっとした食堂街が見つかった。
看板に書かれた料理名を1軒1軒丹念に見て回る。

…あった! 「蒙餐」=モンゴル料理。


チンギスハンに大草原…「いかにも」なディスプレイ。
ようやく「内モンゴルへ来た」という実感が沸き上がってきた。

昼だから麺でも食って軽く済ませよう。


まずは内モンゴル名物・奶茶(バター茶)。
これが楽しみで仕方がなかった。

「…!!」

奶茶、うめぇ! 最初の一口で完全に魅了されてしまった。
乳脂肪の濃厚なコクと香りに、ちょっとした塩味が絶妙のアクセント。
これはハマる。


羊肉麺。
きしめんの様な極太麺に白濁スープ。丼から漂うヒツジ独特の香り。
極太麺を箸で持ち上げ、緊張の一口目。

「…!!」

ヤンコツ(羊骨)スープ。
ワイルドな香りを湛えた極上の旨味が口中に広がり…しばし陶酔。
コシのある極太麺の食感もいい。

スープは完飲、その後奶茶をガブ飲み。
モンゴル料理の味わい深さに驚きと感動を覚え、店を後にする。

―30日の宿泊先・如家ホテルの対面にある旅行代理店。

>草原は外せないけど、せっかくだから砂漠も見てみたいし、
>あとチンギスハン陵にも絶対行きたい。2泊3日で全部回れるような
>ツアーがあったらいいんだが、どうやって折り合いをつけようか…。

こんなわがままな希望を一気に叶えてくれるツアーがここにあった。
初日:草原→2日目:砂漠→3日目:チンギスハン陵…まさに希望そのまま。
値段も手頃だし、ほぼこれで決まりだ。


モンゴル文字併記の道路標識。
昼飯以降、旅行気分が一気に盛り上がってきた。


晩飯はフフホト駅の近くにあるモンゴル料理屋で。
夜10時発の夜行列車に乗り、モンゴルとの国境・エレンホトへ移動する。


内モンゴルのビールは冷えてないようなので、今日は青島にしよう。
ラベルのロゴマーク、よく見てみると「TSINGTAO」ではなく「WUYUEFENG」。
五月っぽいが、正確な漢字の綴りは結局わからずじまい。
一応製造元は青島で、味も安めの青島。


奶豆腐。
中国のチーズを一度食べてみたかったので、それっぽい名前の料理を注文。

「…。」

なにこれ?全然味がしない。
本当にただの豆腐なんじゃないか?と思うくらい、
チーズらしいコクや酸味といったものが感じられない。
これが内モンゴルのチーズってやつなのか…。

完全に期待外れ、決して旨いといえる代物ではない。
ただ、だからといって頭ごなしに全否定するのも気が引ける。

この奶豆腐のため、そしてこれを頼んだ自分自身を
正当化するために、魅力的なキャッチコピーを考えてあげよう。

「大草原が生んだ」「素朴な味」。

…ちょっといい感じに思えてきた?


牛の干肉。フフホトの土産屋にほぼ100%置いてある名産品だが、
ビーフジャーキーと違い、焼かないと硬くて食べられないようだ。
レバーのような濃い味。クミンも利いててビールが進む。
時間が経つとカチカチになって本当に食べられない。


羊肉餅。この手の肉餅は中国の割とどこでも見かける。
羊肉ハンバーグ的な味わいで、これもビールが進む。

正直な話、昼間の麺と比べると、ここの料理はイマイチ感動が薄い。
ここは一発逆転を狙わなければ…。メニューを見せてくれ。





酸奶炒米。



ヨーグルトチャーハン?


ヨーグルト麺はネットで見たことがあるが、チャーハンもあるとは…。
一緒に炒めるのか、或いは上からぶっかけるのか…全く想像がつかない。

よし、これで行こう。




「…!?」




酸奶炒米。普通のデザートだった。
そういえば「炒米」っていうツブツブのお菓子みたいなの、どこかで見たことがある。

「ヨーグルトチャーハン」というとんでもない料理を想像していたのだが、
そういうことか。「安堵」と「がっかり」が同時に押し寄せる、複雑な心境。
味は旨いが、炒米の割合が多く、デザートとしてはちょっと重い。

まぁ、今日は初日だし、こんなもんだろう。


―午後10時前、フフホト駅。
待合室は国慶節の帰省客でごった返している。

エレンホトまでの所要時間はおよそ8時間。そして僕のチケットは「無座」。

前回(ハルピン→黒河)のような地獄のロングスタンディングを強いられるのか、
或いは硬座と同等以上の「デラックスシート」(=地面)が手に入るのか…?



改札が始まった。

2009.10.07 Wednesday / 旅行-内蒙古・寧夏 / comments(0) / trackbacks(0)
#モンゴル領事館突撃(09国慶節2)

9月29日、朝6時。モンゴルとの国境の町・エレンホトに到着。

夜行列車での「ポジション取り」は大成功。
他の「無座」組が空席を求めて硬座の車両を右往左往している最中、
僕は座席には目もくれず、通路脇の地面にすぐさま座り込んだ。
通路の邪魔にならない絶好のスペースだ。

バックパックを座布団或いは枕代わりにしながら、「無座」にして
一度も立ち上がることなく8時間の移動を終えることに成功した。
下手な硬座席よりも快適だったに違いない。

肌寒いエレンホトの朝。辺境の町特有の寂れた雰囲気は大好きだ。



序盤最大のテーマ、それは「国境越え」。

過去に訪れた丹東(北朝鮮国境)や黒河(ロシア国境)と違い、エレンホトの
モンゴル領事館ではカネを積めば即日でビザ発給が可能だという。
国慶節前なので難しいかもしれないが、可能性は十分あると見ている。
街を歩いていても、「モンゴル1日ツアー」みたいな
軽いノリの看板を掲げている旅行代理店が目立つ。

しかし朝6時台では領事館も旅行代理店も始まっていない。
また、地面に座れたとはいえ、8時間の夜行移動で相当疲れが溜まっている。
一旦宿泊先のホテルへ行って仮眠をとることにする。

―朝9時半に起床。身支度を済ませてまずは旅行代理店へ。

すいません、モンゴル1日ツアーに行きたいんですけど…。

「今は国慶節だから扱ってないよ。」
「中国とモンゴル、2つの税関があるだろ?今は国慶節だから検査が厳しくて
1つの税関を通るのに1-2時間掛かるから、個人で行っても1日では無理だね。」

複数の旅行代理店を回ったが、どこも似たような返事が返ってきた。

ほんと、使えねぇ。

自力で何とかするしかないのか。
タクシーを掴まえてモンゴル領事館へ突撃。

―エレンホトのモンゴル領事館。

ビザ申請を待つ人が10人ほど並んでいる。僕も申請用紙を記入しながら
後ろに並ぶ。申請用紙に貼り付ける写真は上海から持ってきていた。

役所関係はどこもそうだが、待ち時間が本当に長くてイライラする。

30分ほど経過したところで、領事館の人が声を掛けてきた。

「君、パスポートのコピーは持ってる?」

えぇーっ? オリジナルだけじゃダメなの?

もちろん、コピー機なんていう気の利いたものはここには置いていない。
やむなく行列を離れ、タクシーでコピー屋まで行って帰って再び行列の最後尾へ。

…と思ったら、午前の受付終了。

最初に領事館に着いてから費やした2時間弱はほぼ無駄に終わった。
途轍もない「やるせなさ」。仕方がないので領事館を離れ、メシを食いに行く。


「蒼狼蒙餐」。何てエキゾチックな門構え。


奶茶は旨い。ここの奶茶は羊の風味がする。羊のバターを使っているんだろうか。


「蒙古麺」。
歯応えのある角切り麺に、濃厚白濁ヤンコツスープの旨味がたまらない。

領事館が午後いつ始まるかわからないので、
一旦ビザのことは忘れてエレンホトの観光へ出ることにする。

たまたま掴まえたタクシーの運転手は、宮里藍をちょっと可愛くしたような女の子だった。

「恐竜博物館は移転したんだけど、新しいところは建設中でまだ入れないわよ。」

もう途中まで来ちゃったから行くけど、そういうことは走り始める前に言ってほしい。


というわけで、立派な恐竜博物館(建設中)。
車の中から写真を撮り、すぐに元来た道を引き返す。


次に訪れたのは、国門。
門の先には、境界線を示す石碑が立っている。向こう側がモンゴル。


続いて、郊外の恐竜化石保護区。あるじゃん、恐竜スポット。
写真の化石は全て本物、なわけない。

その後もう一つの国門(本当の出入り口)を覗き、
一通り観光を終えたところで時間は午後3時前。

一度は諦めかけたモンゴルビザだが、まだ間に合うかも。
領事館へ再度突撃だ!

終了時間ギリギリのところで、ようやく順番が回ってきた。
窓口にパスポートと申請用紙、そして「特急料金」の500元を提出
…だがここでタイムアップ。承認のサインをする人がいないので、
ビザ交付及びパスポートの返却は明日の朝9時以降になるという。

ビザ入手あと一歩まで来たことに喜びを感じる一方で、
パスポートが無事帰ってくるのかどうかという不安も拭えない。
しかしここまで来たら後には引き返せない。

―ホテルで夕寝した後、晩飯を食いに出かける。
町を歩いて回った結果、昼と同じ店に入る。


軽く小皿をつまもう…と思ったら、山盛りで出てきた。
左は大根の酢漬け。岐阜県の実家でよく食べる「カブの甘酢漬け」に似ていたので
思わず頼んでしまったが、これは失敗。大根の皮の青臭い味が強すぎる。
右は羊のレバー。ヒツジ臭全開で、最初は旨いがこんなにたくさんは食べられない。


ハイラルビール。内モンゴルの地場ブランド、来ました。
キンと冷えてて旨い!中国の安ビール独特の匂い。


「蒙古烤羊肉」。
ぶつ切りのヒツジをダイナミックに炙り焼きしたものを想像していたのだが、
実際に出てきたのは大手居酒屋チェーンの「軟骨の唐揚げ」的な料理。
全然「烤」(焼き)じゃないじゃん。しかも超山盛りだし。

「…。」

たいそうな名前だが、味は正直言って微妙。
クミンと五香粉が混ざったような「辺境テイスト」は、黒河で食べた「ロシア風串焼き」に
相通ずるものがある。また「軟骨の唐揚げ」と違い、くたびれた油でフニャけた食感。
卓上のお酢をつけたりしながら頑張って食べたが、三分の一食べるのが限界。
満腹になる前に飽きが来た。久しぶりに、思いっきりハズした。

エレンホトで晩飯を食べるのは一度限り。このまま帰るのはもったいない。
ここは麺は旨かったので、前から気になってた「ヨーグルト麺」を食べてみよう。


「酸奶麺」(ヨーグルト麺)。
ヨーグルトがどんな感じで利いてくるのか楽しみだ。
緊張の一口目。


「…!!」


なるほど、そう来たか。
ヨーグルトというより、ホワイトチーズクリームシチュー的な味わいで、
ベースのヤンコツスープと上手くまとまっている。仄かな酸味がクセになる。
モンゴルの魅力が凝縮した麺料理、これは食べて正解だった。


特に夜遊びするような場所はないので、この日は早めに眠りにつく。

2009.10.11 Sunday / 旅行-内蒙古・寧夏 / comments(2) / trackbacks(0)
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