4月5日。
キジ丸々1羽を食べて満腹になった腹をさすりながら、バイクタクシーに跨る。
午後の観光は、風景区巡りから。
通常風景区の総合入場券は3日間有効で140元だが(バラで買うともっと高い)、
「バイク代込みで100元で行ってやるよ!」と言い切る運転手。そのこころは…
抜け道から侵入。
正規の入り口から少し離れた山道に分け入って、最終的に
券を買って入った人と全く同じ観光スポットに辿り着くという超セコ技だ。
多少ドキドキしながら山道を進んでいくと、
「君らは地元の人間か。」
首にカードをさげた警備員に声を掛けられる。やべぇ、見つかった。
他にも2,3質問があったが、ビビッちゃって一言も声が出せない運転手。
あれだけ威勢のいいこと言っといて、このテンパり具合(笑)
結局元来た路を少し戻り、別の経路から再び侵入を試みる。
うねうねと山を登り、気がつけばまんまと侵入に成功していた。
久しぶりの山登り。結構距離が長くて疲れたが、これは
裏ルートから入っていることも少なからず関係しているだろう。
その後ゴムボートで川を下り、お茶屋で烏龍茶を試飲。
お土産に大紅袍の一級茶葉を大量購入する。
もう1ランク上の特級もあったが、個人的な好みで敢えて一級を選択。
決して金が惜しいわけではない。(ヘビに600元近く払ってるし。)
一級の方が比較的よく発酵してて、いわゆる「烏龍茶」らしい味がする。
夜7時、昼間と同じ食堂へ晩飯を食べに行く。
店のおかみさん曰く「今日のオススメ」はこれ。
シカの脚。妖しい光を放つ赤黒い肉。
武夷山に来たからには、ヘビ酒は絶対トライしたい。
軽くおちょこ1杯のつもりが、ビールグラスになみなみと注がれる(笑)。
意を決して、最初の一口。
「…うおぉ!!」
こいつは効くぜ!夜はギンギンだ!!
ヘビだけでなく各種漢方薬のエキスもたっぷり、本当に効きそう。
漢方の香ばしい味が出てて普通の白酒よりもむしろ飲みやすい。
肉料理を食べた直後に飲むと、後味にヘビの青臭さがいやらしく残る。
地の野菜は、その名も「活血菜」。炒める前は赤みを帯びた葉の色が、
火を通すと黒緑色に変化する。皿の底に溜まった黒い汁が衝撃的。
思ったよりもクセがなく、葉っぱの味が濃くて旨い。
その名の通り、栄養がありそうだ。
シカ肉の辛味炒め。
唐辛子たっぷりでかなり辛いが、それに負けないシカの獣臭さ。
しかし、毎食毎食こんなものばかり食べていていいんだろうか。
ビールグラスなみなみ1杯のヘビ酒で、だいぶ酔いが回ってきた。
食後、バイクタクシーに「音楽喫茶」とかいう(KTV系?)
何やら怪しげな店の前に連れて行かれる。記念にネオン看板の写真を撮ったら
いきなり複数の男に囲まれて、写真を即刻削除する様迫られた。
こんな怖い店に入る勇気は無い。
部屋に戻りベッドに横たわると、ヘビエキスが体中に湧き上がってきた。